月面反射電波観測 at 水沢VLBI観測所
みなさん、こんにちは!寒さで布団から出たくないM1の中村です。
もう2ヶ月も前の話になりますが(ついこの前と思ってたのに時間の流れは早いですね〜)、岩手県の水沢観測所で月面反射電波を観測して来ました。
←水沢観測所にある20m望遠鏡(手前)と10m望遠鏡(奥)
近くで見るととても迫力がありました!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜研究の話〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なぜ月面反射電波を観測したのかを説明する前に地球外知的生命体探査(Search for ExtraTerrestrial Intelligence、略してSETI)の説明をします。
地球以外の星には生命はいないのかという疑問は誰もが持ったことがあるでしょう。宇宙人が存在していたら我々地球人とコンタクトを取れるかもしれないというロマンを科学的に研究する分野がSETIです。
私たちは日々の生活の中でケータイやテレビなどたくさんの電波に囲まれており、それらの電波は宇宙空間に放射されています。これと同じように地球人と同じように進化した文明を持つ宇宙人も電波を使っていると考えられます。宇宙人からの電波を直接観測するには今の技術ではまだ不可能なので、まずは地球から放射されている電波を観測しようと考えました。地球から放射された電波の一部は月に反射して地球に戻ってくるものがあります。その月面反射電波を観測すれば宇宙から飛来する生命が存在する惑星(地球)からの電波を擬似観測したことになるのです。
今は観測で得られた膨大な量のデータを先輩方の力を頂きながら解析している最中です。水沢観測所所長の本間希樹教授からも激励のお言葉をもらい、もっと頑張っていきます!!
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水沢に行ったのは熊本はまだ夏のように暑かった9月末だったのですが、岩手県はもう秋の空気で夜は肌寒く朝は起きてすぐに暖房を入れてしまいました。
普段20℃の冷房の効いた研究室で研究してる先輩も寒いというほど寒かったです!
←10m望遠鏡と各国にある観測所の方向
↓20m望遠鏡のお皿。めちゃくちゃ大きいですね!!
10m望遠鏡のお皿の上に登らせていただきました!めっちゃ怖かった。。。
←登ってる様子。
心の中ではすでに地上が恋しいと思ってました。
←初代観測所所長木村栄の銅像。
観測所と同じ敷地内には木村栄記念館も併設されており、そこも案内してもらいました。
中には過去に使われていた観測機器や木村所長の写真、受賞された文化勲章などが展示されていました。
↑眼視天頂儀。
←観測は深夜に行われました。リアルタイムで観測された電波の様子がモニターに映し出されています。
観測が終わった後、寝不足で転んでしまって観測所の皆さんにご心配をおかけして申し訳なかったです。。。
最後に
今回の月面反射電波観測を行う上で、水沢観測所の方々には大変お世話になりました。実際に望遠鏡で観測して観測データを解析することはなかなかできない経験でわからないことだらけですが、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
中村
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